いろとりどり

子供におすすめの本を探す

本5『理花のおかしな実験室①』

『理花のおかしな実験室①-お菓子づくりはナゾだらけ!?』
やまもとふみ/作
nanao/絵
角川つばさ文庫

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

理科が得意で大好きだけれど、”女の子なのに理科が好きな変な子”と思われるのが嫌で、理科から距離を置いている主人公の理花が、男の子なのにパティシエを目指しているそらくんのお菓子作りの練習を、理科の知識をフル活用して手助けするストーリーです。

この本のタイトルは、子供が理科に興味を持つきかっけになるのでは!?という期待感を与えてくれます。その期待に応えてくれる一冊です。理科を学ぶ意味や、理科の実験の面白さを伝えてくれるストーリーだと思います。

一方で、少々気になる点もあります。ストーリー前半で、女の子が理科が好きなのはおかしいという話が何度も出てきます。その部分で、女の子は理科が好きではないのが一般的という価値観が押し付けられる気がしました。ただ、物語の後半で、主人公の理花が、”理科が好きな女の子はおかしい”という呪縛から逃れる流れはとてもよくできていると思います。
また、たまに文章が太字になっているのですが、なぜその文章が太字になっているのがよくわかりませんでした。ちょっと読みにくいかなと思います。

この本は、国語的な素養の向上を期待して読ませるというよりは、理科の面白さを伝えるような本を読ませたいと思った時に、子供にすすめるのがよい本だと思います。

本4『こどもSDGs』

『こどもSDGs-なぜSDGsが必要なのかがわかる本』
秋山宏次郎/監修
バウンド/著
株式会社カンゼン

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

現代の社会に存在する問題、SDGsとは何か、SDGsはなぜ必要とされるのかが簡単にまとめて書かれています。それぞれの項目について1ページでまとめてあるので、どんな社会問題があるのか、どんなことに取り組めばいいのか、パッとわかるような構成になっています。

ただ、小学生がなにも知らずにこれをはじめて読んで、社会問題やSDGsとは何かを理解するのは難しいと思います。漢字にはふりがながふってありますが、出てくる単語が難しいです。学校の授業、テレビ、新聞などを通してSDGsについての断片的な知識をもっている子が、SDGsの全体像をつかむために役立つ本かと思います。

一度読んで終わりではなく、日々の生活を通して社会経験を積んでいく中でたまに読み返すことで、この本の内容の理解が深まっていきそうです。

本3『ドギーマギー動物学校①』

『ドギーマギー動物学校 ①カムの入学式』
姫川明月/作・絵
角川つばさ文庫

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

新入生(犬)のカムが、動物学校の入学式の一日を過ごすお話しです。

はじめての文庫本にとってもおすすめの本です!漢字には全てふりがながついていて、文庫本にしては文字が大きめです。なにより、登場人物のセリフの上にそれぞれの顔マークがついています。誰のセリフかがわかりやすいですし、ページが文字だらけではないことで文庫本にとっつきやすくなっています。
1年生向けの児童書を一人で読める子であれば読めると思います。ただし、幼稚園児の場合は学校についての基礎知識が必要かもしれません。学校、入学式、校長先生、教頭先生、新入生、体育館、宿題などの単語がなんとなくイメージできれば読みやすいと思います。

文庫本が読めるようになると、経済的にも助かりますし、本の持ち歩きも楽で、外出先のちょっとした隙間時間を有意義に過ごすことができますよね。

本2『おさるのまちにち』

『おさるのまいにち』
いとうひろし/作・絵
講談社

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

ひらがなが読めるようになった子がはじめて一人で読む本として、ものすごくおすすめの一冊です!幼稚園児から読めます。

ひらがなだけで書かれており、カタカナは出てきません。そして、文字も大きく、一文も短く書いてあるので読みやすいです。
おさるさんのお話しなのですが、そこまでストーリー性が強いわけではありません。そのため、ひらがなが読めるようになってすぐの頃にありがちな、文字を追っているだけの状態になったとしても、「おさる」さえ単語として読めれば、おさるさんのお話しを読んでいるのだなと何となくわかり、本を読んだ気になれると思います。絵もたくさんありますので、話の理解を助けてくれます。
他の児童書と同じくらいの厚みがありますが、文字の大きさ、絵の多さなどから、一冊を読み終えるのはそんなに苦ではないと思います。本を一冊自分一人で読んだという達成感を子供に得てほしい時にぴったりの本だと思います。

本1『ママは十二さい①』

『ママは十二さい① ご祈禱の願い事』
服部千晴/作 川野辺/絵
講談社 青い鳥文庫

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

児童書作家のママが、作品を執筆するために十二さいになりたいと願ったところ、本当に十二さいの体になってしまい、十二さいの娘と一緒に小学生に通うお話しでした。年上のお兄さんへの淡い恋心やクラスメイトとの日常的なやりとりがお話しの中心です。
難しい設定などはないので、本を読むのに慣れている子であれば小学校1年生から読める内容だと思います。漢字には全部ふりがながふってあります。
ただ、最後に突然新しい話題が出てきてポンと終わってしまうので、終わり方はすっきりしません。本を1冊読んだという達成感を得にくいかもしれません。
なお、読書を楽しむ、文庫本を身近に感じるという点では良い本だと思いますが、この本を読んで直接的に+αの学びがあるかというと、そうではないと思います。親がすすめて無理やり読ませるための本ではありません。子供のお楽しみの一つになりそうな一冊です。

はじめに

子供にたくさん本を読んでほしいけれど、どの本をすすめたら良いのかわからない…。そこで、子供向けの本を自分で読んでみることにしました。親目線で子供向けの本を読んでみた感想を記録していきたいと思います。