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本10『やさしく読めるビジュアル伝記9 マイヤ・プリセツカヤ』

『やさしく読めるビジュアル伝記9 マイヤ・プリセツカヤ たたかう舞姫

金治直美/文
城咲綾/絵
村山久美子/監修
学研

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

 

1925年に産まれたロシアのバレリーナマイヤ・プリセツカヤのお話しです。ロシアの国内でスパイ活動や亡命の疑いがかけられてしまい、行動制限をかけられながらも、ひたむきにバレエにうちこんでいく姿が描かれています。世界史を学んでいない子供には当時のロシアの情勢を正確にイメージするのは難しいかもしれませんが、物語の理解に必要最低限のことが簡単に説明されているので、なんとなくロシアの情勢をイメージして、マイヤの苦境が理解できるのではないかと思います。文字が大きく書かれていて、挿絵が多く、漢字にも振り仮名がついています。とても読みやすい文章です。辛いエピソードが多いのですが、全体的には、明るい性格のマイヤの素敵な一生というイメージのお話しとなっています。

 

この本をきっかけに、バレエのこと、ロシアのこと、戦争のことなどなどいろいろな方面に興味が湧いてくるお子さんもいるのではないかと思います。それぞれの内容が、本を読み進めるにあたってほどよく理解できるように書かれていますが、詳しく説明されているわけではないので、バレリーナってどうやったらなれるんだろう、スパイってなんだろう、亡命をする人たちはどのような人達だろう、疎開ってなんだろう、などいろいろなことに疑問・興味をもたせてくれる本だと思います。