いろとりどり

子供におすすめの本を探す

本5『理花のおかしな実験室①』

『理花のおかしな実験室①-お菓子づくりはナゾだらけ!?』
やまもとふみ/作
nanao/絵
角川つばさ文庫

※子供に読んでほしい本を探し中の親目線での感想です。

理科が得意で大好きだけれど、”女の子なのに理科が好きな変な子”と思われるのが嫌で、理科から距離を置いている主人公の理花が、男の子なのにパティシエを目指しているそらくんのお菓子作りの練習を、理科の知識をフル活用して手助けするストーリーです。

この本のタイトルは、子供が理科に興味を持つきかっけになるのでは!?という期待感を与えてくれます。その期待に応えてくれる一冊です。理科を学ぶ意味や、理科の実験の面白さを伝えてくれるストーリーだと思います。

一方で、少々気になる点もあります。ストーリー前半で、女の子が理科が好きなのはおかしいという話が何度も出てきます。その部分で、女の子は理科が好きではないのが一般的という価値観が押し付けられる気がしました。ただ、物語の後半で、主人公の理花が、”理科が好きな女の子はおかしい”という呪縛から逃れる流れはとてもよくできていると思います。
また、たまに文章が太字になっているのですが、なぜその文章が太字になっているのがよくわかりませんでした。ちょっと読みにくいかなと思います。

この本は、国語的な素養の向上を期待して読ませるというよりは、理科の面白さを伝えるような本を読ませたいと思った時に、子供にすすめるのがよい本だと思います。